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福岡県

筑前町立大刀洗平和祈念館    http://tachiarai-heiwa.jp/

 

■資料館概要

「筑前町立大刀洗平和祈念館」

(案内:岩下定徳事務長)

 

■全体的な展示内容

全体として、イデオロギーを排した客観的な展示内容となっています。

戦争の是非や善悪などについては見学者に判断を委ねるコンセプトの展示・説明となっています。そのため、犠牲者を静かに追悼するのにふさわしい展示内容であると言えます。

都で建設する記念館の展示も、やはり特定のイデオロギーを排し、その是非や善悪は見学者に委ねる展示、説明にする必要があります。

 

■展示構成

展示構成は「飛行機の概要と航空技術」「大刀洗飛行場と人々の生活」「大刀洗大空襲と特攻隊」「追憶の部屋」の4部。

戦前の大刀洗は陸軍の大刀洗飛行場を中心とする都市であったことから、飛行場や航空技術、航空史に関する展示もありますが、大刀洗に関する展示となっています。

都の「平和祈念館展示基本施設概要(案)」では、アジアへの侵攻や戦後の東西冷戦、難民問題など、東京空襲とは関わりのない展示が含まれていましたが、それでは特定のイデオロギーが介入する可能性も高く、やはり東京空襲に関する展示に限定した構成に必要があります。

 

■航空写真

当時の航空写真の上に、大刀洗平和祈念館の位置や範囲を示す床がありました。

東京の場合は、当時の航空写真に現在の区を示し、さらに東京空襲の範囲を示すなど応用できそうです。

大刀洗平和祈念館の場合、行政が保有している航空写真を使用し、近隣の行政からも航空写真の提供を受けたとのことです。

 

■B29の大きさを示す金網

天井にB29の大きさを示す金網のようなものが吊るされています。

大刀洗平和祈念館には零戦や九七式戦闘機が展示されているので、大きさを比較することができるいいアイディアだと思います。

 

■零戦三二型

零戦を展示して、零戦だけは撮影可としている。零戦三二型は世界唯一の現存機とのことです。

このような目玉となる展示があった方がいいでしょう。

 

■遺影

大刀洗空襲や特攻、さらに大刀洗付近の戦闘で亡くなった方々の遺影が、追憶の部屋に展示されています。

大刀洗では、B29に体当たりして犠牲となられた方がおられ、そのときにB29搭乗員も亡くなられました。日本人だけでなく、このときに亡くなられたB29搭乗のアメリカ兵の遺影もあります。敵味方隔てなく遺影を展示している点も、公正・公平な展示の特徴であると考えます。

民間で集められていた方から引き継ぐことができたことにより、多くの遺影を集めることができたとのことでした。

 

■大人数収容スペース

中高生の修学旅行や社会見学も多く、200名収容の多目的ホールを設置。多目的ホールではボランティアによる朗読やシアター上映なども行っています。

都とでも、修学旅行や社会見学の受け入れなどを考慮し、このようなホールを設置しておいた方がいいでしょう。

 

■運営

大刀洗平和祈念館の年間の経費は約5000万円で、年間収入も5000万円ほどで、税収に依存していない(ただし、昨年と今年はコロナ禍による来場者激減で、税収に頼らざるを得なかった)。

入館料は300円~600円で、年間の来場者は10万人前後とのことです。

​■連絡先

筑前町立大刀洗平和記念館
〒838-0814 福岡県朝倉郡筑前町高田2561-1
TEL 0946-23-1227 FAX 0946-23-9009
メール tachiarai-heiwa@jewel.ocn.ne.jp

活動理念

皆様のご寄付とご協力をお願いいたします

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