愛知県
〇戦争と平和の資料館 ピースあいち https://peace-aichi.com/
■資料館概要
資料館は地下鉄の「一社」駅から徒歩12分と、都会にしては少し駅から離れた場所にあります。
地下鉄東山線「上社」から市バス上社11系統「じあみ」下車徒歩3分。
建物は3階建てです。
■全体構成
2階に、第1展示「愛知県下の空襲」、第2展示「戦争の全体像、十五年戦争」、第3展示「戦時下の暮らし」の展示があり、1階に第4展示「現代の戦争と平和」の展示、交流―コーナー、図書コーナーがあります。
3階はNPOの事務室と企画展の展示室になっています。
運営が公共機関ではなく民間の非営利団体ということもあり、展示やパネルの文言には特定イデオロギーに基づく用語が使用されており、展示内容に偏向があります。
私たちが目指す東京都の「追悼」東京大空襲記念館は偏向のない施設・展示にしなければなりません。
そこで、参考見本として「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」と「筑前町立大刀洗平和記念館」を挙げました。次に、偏向を排除するために、各地の記念館や祈念館の偏向展示についても調査・研究し、偏向展示の現状を把握することが重要だと考えます。
■第1展示「愛知県下の空襲」
爆撃で使用された爆弾や焼夷弾が展示され、パネルでその構造などが説明されています。
そして、名古屋市内の消失区域図があり、米軍がどこを狙ったのかを説明したパネルも設置されています。
DVDで、当時の空襲警報や警戒警報の音を聴くことができます。このように、視覚だけでなく聴覚を使うということは、東京都の記念館で取り入れてもいいと思います。
また、子供向けの展示として「戦時下の動物たち」というコーナーがあり、ゾウを守った東山動物園の逸話が紹介されていました。このように、子供向けの展示を設けるということも参考にできそうです。
■第2展示「戦争の全体像、十五年戦争」
展示のタイトルからして「十五年戦争」という、特定イデオロギーを有する用語が使用されています。偏向のない、公正かつ中立な展示のためには、このような特定イデオロギーを有する用語の使用は避けなければなりません。
この「十五年戦争」と同じく、特定イデオロギーを有する用語に「アジア・太平洋戦争」という用語があります。ピースあいちでは、この「アジア・太平洋戦争」も使用されています。
現在、一般的には「太平洋戦争」という用語が使用されており、内閣が決定した正式名称は「大東亜戦争」です。
展示物としては、当時の新聞、雑誌、書籍、冊子、教科書などが展示されています。
「ミュージアムガイド」という冊子の第2展示のページには「戦争に負けて、日本はどのように変わったの?」という質問の答えとして「戦争に負けたあと、日本は民主主義の国になり、戦争をしない国になりました」とあります。しかし、戦前の日本も選挙で選ばれた議員による議会によって政治が動いていましたので、独裁政治や専制政治が行われていたわけではありません。この辺りの説明も、特定イデオロギーに導こうという意図が見え隠れした、偏向表現だといえます。
■第3展示「戦時下の暮らし」
臨時(充員)召集令状(いわゆる赤紙)、徴用令書(いわゆる白紙)、罹災証明書、 死亡告知書、戦時債券などが展示されています。
鉛筆、クレヨン、ランドセルといった戦時下での日用品も展示されています。
また、戦時中の民家の茶の間が再現されています。
■第4展示「現代の戦争と平和」
第二次世界大戦以後の戦争に関する写真や説明、地図がパネルとして展示されています。
■運営
NPO法人平和のための戦争メモリアルセンターが運営。
開館日は火曜日から土曜日で、日曜日と月曜日が休館。
閲覧料は大人300円、小中高生が100円。
■連絡先
戦争と平和の資料館 ピースあいち
〒465-0091 名古屋市名東区よもぎ台2-820
TEL/FAX 052-602-4222

〇愛知平和記念館
https://nk.xtone.jp/archives/aichi-peace-memorial.html?vmode=pcmode
■記念館概要
記念館は地下鉄「丸の内」駅から徒歩5分、愛知県護国神社の隣にあります。
5階建ての建物の4階部分が展示室となっています。
■全体構成
特にコーナーを設けているけではなく、一4階の一部屋に遺留品などが展示されています。
軍服、軍刀、ヘルメット、機関銃、寄せ書きの日の丸などが展示されていました。
■運営
財団法人桜華会館と愛知県遺族連合会が運営。
建物は愛知県から無償貸与。
開館日は月曜日から金曜日までの平日で、土曜日、日曜日、祝日が休館。
入場料は無料。
■連絡先
愛知平和記念館
〒460-0001 愛知県名古屋市中区三の丸1-7-2 桜華会館4階
TEL 052-231-6504

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〇愛知・名古屋 戦争に関する資料館
https://www.pref.aichi.jp/kenmin-soumu/chosakai/
■資料館概要
資料館は地下鉄「市役所」駅から徒歩5分。
愛知県庁大津橋分室の1階が資料館となっています。
■全体構成
全体構成は「戦争に関わる地域史」「県民の戦争体験Ⅰ(銃後のくらし)」「県民の戦争体験Ⅱ(軍隊・戦地)」「戦後の地域史」「企画コーナー」の5部になっています。
「平和学習パンフレット」は総ルビで、小学生低学年でも読めるようになっています。
ただ「15年続いた戦争のうち、1941年から1945年までの戦争を「アジア太平洋戦争」と呼んでいます」という記述があり、15年戦争史観が見え隠れします。公的施設でのこうした偏向用語の使用は避けなければならないと考えます。
ここは、愛知県と名古屋市が共同で設置した機関が運営しているので、特にこのような偏向した用語の使用や偏向した思想へ誘導することには注意した、言葉の使用、展示物の選別を行う必要があります。
■戦争に関わる地域史
名古屋空襲など地域での出来事に関する資料が展示されています。
主要展示はE46集束焼夷弾の模型で、スクリーンがあり名古屋空襲の様子をCGで見ることができるようになっています。
■県民の戦争体験Ⅰ(銃後のくらし)
戦時下の県民生活や学校生活に関する展示がされています。
■県民の戦争体験Ⅱ(軍隊・戦地)
当時の服装や千人針など、軍隊生活や洗浄体験に関する資料が展示されています。
■戦後の地域史
戦地からの復員や、戦後復興のまちづくりに関する資料が展示されています。
■企画コーナー
このコーナーでは、定期的に戦争に関する企画展示が行われています。
今回は「戦争と衣料―市民がみた銃後のファッション」という企画で、国民服や襦袢、パーマ用こて、針セットなどが展示されていました。
■運営
愛知県と名古屋市が共同で設置した「戦争に関する資料館運営協議会」が運営しています。
開館日は水曜日から日曜日までで、月曜日、火曜日が休館。
入館料は無料。
■連絡先
愛知・名古屋 戦争に関する資料館
〒460-0002 名古屋市中区丸の内3-4-13 愛知県庁大津橋分室1階
TEL 052-957-3090 FAX 052-957-3091
メール an-shiryoukam@ark.ocn.ne.jp


